【コラム】許容できる「最底辺」をイメージする

坂本龍馬は日記を付けていたそうですが、折に触れ「どうせいつか死ぬ」と書きつけたそうです。

これは将来を悲観していたとか、日頃から無常感にさいなまれていたわけでなく、諦念(良い意味での諦め、最悪な状況のイメージ)を行動の原動力に変えていた証(あかし)ではないかと思います。

人は病気になったり、最愛の人と別れたり、死んだりします。それを仏様は「人生一切苦」と言いました。つまり、マイナスからの出発です。このマイナスから人生を考えると、お風呂に入れたこと、食事が摂れたこと、今日が何事もなく終わったこと、家族や恋人に電話できたこと、欲しかった本が手に入ったこと、週末に友人達とキャンプに行くことになったこと、職場で同僚が自分のミスをフォローしてくれたこと、などなど、何気ない日々の出来事がささやかだけれども確かにプラスな出来事に思えてきます。

・起業するかどうか

・転職活動するかどうか

・結婚するかどうか

・実家に戻るかどうか

・家を買うかどうか

・裁判を起こすかどうか

・手術をするかどうか

などなど、人生の節目の「選択・決断の機会」において、最悪な状況をあえてイメージすることでかえって一歩前に踏み出せるような気がします。