【コラム】照顧脚下(しょうこきゃっか〜足元を照らしてみる)

自分の知人にお坊さんがいます。いろんなお寺を転々としていて、自分の寺を持つのが夢でした。寺を持つにはお金が要ります。そこでキャリアコンサルタントの勉強をしたり心理カウンセリングの勉強をしたりしました。ところがなかなかお金に結びつきません。

ところが、ある時、気づいたのです。

「自分の最大の財産は僧としての資格ではないか」と。

彼は祈祷が得意な宗派にいました。そこで「祈りの持つ力」について毎日のようにネットで発信することにしました。すると何年後かのある日、ネット界で影響力のある方が彼の発信した記事を取り上げてくれ、祈祷家として忙しく過ごすようになったのです。

先行きの不透明な時代です。どの資格を取ればいいのか、どの会社に入ればいいのか、どの金融商品を買えばいいのか、などなど、先を見据えて考えたくなることはたくさんあります。ただ、その前に「自分がすでに持っているもの」に目を凝らしてみるのも良いかもしれません。「自家用車を持っている」といった有形なリソースはもちろんですし、「趣味が山登り」「料理」といったものも、有形でない財産です。お気に入りのカフェにでも行って紙に書き出してみるのも良いでしょう。