【コラム】ジャンボジェット機の設計と日常生活の工夫

以前、ジャンボジェット機を設計した方の自伝を読んだことがあるのですが、設計で大事なことは事故を起こさない機体を作ること。そのためのポイントは冗長性だそうです。

冗長性というのは、直訳的に言い換えると「ムダ」ということ。

飛行機でいえば、燃料タンクとエンジンを結ぶパイプを2本にする。本来なら1本で十分かもしれませんが、トラブルが起こった時、予備の燃料パイプがあれば墜落を防げます。

考えてみれば、人生に必要なのもこの「冗長性」かもしれません。休みの日の趣味はムダなように見えても、副業につながったり、リストラされた時に、それが本業になる可能性だってあります。

収入を入れておく銀行口座も2つあれば、出費がかさんだり、病気でまとまったお金が必要な時に「あ、もう一つの口座にいくらか蓄えがあったはず」となります。

思えば、スケジュールをキツキツに埋めないのも、いざというときにチャンスを呼び込む工夫かもしれません。いつか挑戦してみたかったビジネスを始めるきっかけを他人が作ってくれた場合、スケジュールがキツキツならそれに応じることもできません。

ムダのないスリムで効率的な生活が理想なのかもしれませんが、人生におけるムダも自分を救ってくれたりするのです。